ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

木県宇都宮市で起きた私立精神病院での入院患者が暴行された事件」などが、国連差別防止委員会で、取り上げられたことが人権NGOの貢献の一つと見做して良いと思います。〔五〕「人権高等弁務官の設置」への提案。第四八回国連総会で、国連高等弁務官のポストの新設がNGOの提唱で実現しました。〔六〕政策の策定と実施への参加。提案と異なり、政策については、国連との係わりが密接になっておりますが、人権宣言条約文の策定については、国連本部との温度差を無視できず、それを出来るだけ無くするようにして、参加・協力をしています。とくに、人権侵害に関する事実の情報・収集と配付に、重要な役割を担っております。作業部会に参加し、人権文書の起草の過程の中心的な役割を果たしております。その外にも世界人権宣言の起草・拷問禁止条約・児童の権利条約・その他の条約に参画するようになりました。その他NGOと国連の正式な提携形態を見ても、広報活動としてのNGOの外部機関も無視できません。〔七〕政策実施(特に国際人権条約に関しての)。国際NGOの人権問題の係わりは重要であります。一つは「政府に対する条約締結への働きかけ」と、もう一つは「条約の履行のモニターと政府報告書・審査のための情報提供」であります。新たに人権条約が国連の場で採択されたら、各国政府はその事実を広く国民に知らせなければなりません。その任務が、ないがしろにされた場合、NGOがその任務を政府に代わって遂行します。NGOの働きが無ければ、ややもすると各国の外務省の保管場所に、資料が眠ってしまいます。それを無くするよう少しでも働きかけをします。さらにNGOは人権条約の採決における自国政府の投票行動や国際的な潮流についても調査します。〔八〕履行のモニター情報提供。国際人権A規約、国際人権B規約、拷問禁止条約、児童の権利条約をはじめ、近年作成された国際人権条約は、締約国に対し、条約の順守状況について記した報告書は、事務総長を経由して、それぞれ審査する委員会の専門部会に送付されます。またNGOは各委員会が締約国政府から提出される報告書を検討するに際して、公式の委員会の「経済的・社会的および文化的権利に関する委員会は、手続規定に則って経済社会理事会に協議的地位にあるNGOに対して、委員会の作業に問題についての情報・文書・書面での声明を委員会に提出するように要請します。」それに答えるNGO916