ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

国連活動と国際NGOの貢献横井昭造序文国連は平和、開発、環境、人権の課題に、取り組みます。第二次世界大戦の教訓により、戦争参加国は、二度と戦争をくり返さないという堅い思いで、国連を発足させました。大戦後に始まった冷戦で、安全保障理事会での常任理事国が大戦の戦勝国で占められていて、平和維持問題については、安全保障理事会が中心になって、運営されてまいりました。国連総会は、ややもすると、二次的なものと考えられてきました。国連とNGOとの関係を見ますと、NGOはとくに、人権問題について、国連の機能を正当化するように、活動してきました。NGOの国連への貢献をオブザーバーとしての公式参加と非公式参加に考えますと、国連憲章第七十一条の規定は、公式参加として、承認されたことを意味します。NGOが「国際NGO」・「国内NGO」という垣根を取り払って、広く活動の輪を、広げることが求められます。NGOは国連の政治アクターとしての係わりを、深めなければなりません。国際NGOの国連活動への係わりは、国連への提案と政策の実施・参加があります。人権保護の立場から、アパルトヘイト(人権隔離政策団体)がノーベル平和賞を獲得したことも、国際NGOの活動が、世に広く認知されることになりました。さらに国連との関係を見ますと、国連事務局への国際NGOの参加・協議と、さらに市民活動・援助は、国際NGOの機能を高めることになりました。またあとでふれますが、「経済社会理事会」との関係を見ましても、経済的、社会的開発を推進するうえで、重要な役割を果たすと考えます。この開発の恩恵の公平な配分は、社会の全構成員への開発への貢献と見做され、その意思決定への効果的な参加を伴ってこそ発揮されます。開発の恩恵の公平な配分問題は、国連事務局の専管事項と考えますが、国際NGOの参加の出来る余地を、少しは残さ912