ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

ど広範囲に及ぶ活動協力が展開されている。当初は、経済社会理事会で協議的地位を持つ国連NGOを主としていたが、最近では、それ以外の国際NGOや途上国のNGOとの協力推進にも力を入れている。現在、国連人口基金のパートナーNGOの数は約200で、その後も平均して国連人口基金の年間予算の15%ほどがNGOの活動支援のために支出されている。パートナーシップの具体的なあり方はNGOの特性に応じて多岐にわたるが、国連人口基金ではパートナーNGOのイニシアチブの尊重を常に、そして最も重視してきた。それは、対等なパートナーとしての関係を構築しようという意思に基づいており、またこれは、NGOの自主的な取り組みの尊重が開発課題に関して実質的な力を発揮してきたという経験に支えられている。5-2 NGOによる取り組みと評価・課題他の機関・セクターと比べてNGOが比較優位性を持つと考えられる分野には、1草の根・国・地域・グローバルなどすべてのレベルにおける国境を越えたネットワークづくり2専門性・情報・経験の共有3新たな概念や枠組みに関する提言4草の根レベルでのプログラム(広報・アドボカシーを含む)の実施5提言や実施状況の監視、時に批判的な評価がある。一方、課題としてまず挙がるのは、NGOの提言が、意思決定プロセスに反映されにくいことである。意思決定が政府代表に限定されているため、NGOがその決定プロセスに関与する方法は限られている。例えば、国連人口基金の基本政策を策定する重要な機能を持つ執行理事会でも、メンバーは36か国の政府代表に限定されている。このことは、国連総会がNGOのオブザーバー資格を認めていないという現状と、現行866