ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

第27回最優秀賞の中では、「ジェンダーの平等」「妊産婦の健康の改善」「乳幼児死亡率の削減」「HIV/AIDS、マラリア、その他の疾病の蔓延防止」の4つの目標に直接関連している。MDGsの最大の課題は、目標を達成できるかどうかである。21世紀を迎え急速なグローバル化の中で生きる我々は、市民社会を含めた新たな枠組みを足掛かりに、この問題に対処していかなくてはならない。5-1-2 ECOSOCとNGO国連憲章第71条には、以下のような文言がある。「経済社会理事会(ECOSOC)はその権限において必要に応じてNGO機関と協議し、提言を受けることができる」このことは、国連が、加盟国間政府だけの討議や行動で、世界の諸問題を解決することは難しく、民間団体の協力が必要だという認識を、設立当時から持っていたことを示している。当時の時代状況に照らせば、「市民社会との協力・協調」の発想に基づく民間団体との協議規定が正式に国連憲章に盛り込まれたことは、国際法上画期的な出来事だったといえる。5-1-3 UNFPAとパートナーNGO開発課題に取り組む実施機関は、途上国政府、国連機関、NGOの3つに大別できるが、なかでもNGOとのパートナーシップは国連人口基金設立時から一貫して推進されるものだ。人口やジェンダーの問題は、政治的・宗教的・文化的な側面から多種多様の理解が可能であるがゆえ、扱いにくい側面をも含んでいる。このため、政府機関の協力だけでは、国や地域レベルの活動現場において本質的な問題解決が難しく、NGOの存在が不可欠となっている。国連人口基金と協力するNGOは「パートナーNGO」と呼ばれ、共同研究や政策提言、プログラムやプロジェクトなど政策実施への関与、途上国の活動現場でのサービス提供な865