ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

第27回最優秀賞NGOによるフォーラムの名称については、1972年の国連人間環境会議の時が「環境フォーラム」、1975年の国際婦人年世界会議の時が「トリビューン」、また最近では、1992年の地球サミットの時が「グローバル・フォーラム’92」と、異なる名称で呼ばれる場合もあるが、一般的には「NGOフォーラム」である。第4章NGO(オルタナティブ)宣言について16),17)4-1 NGO(オルタナティブ)宣言とはNGO(オルタナティブ)宣言とは、前述したように、政府間会議における最終的な結果にNGOの意見を反映させるべく、NGOフォーラムにおいて当該問題について討議し、NGO全体としての考えや立場をまとめたものである。NGO(オルタナティブ)宣言は、公式宣言に並行して出されることから、「もう一つの宣言」を意味する「オルタナティブ宣言」とも呼ばれている。4-2 NGO(オルタナティブ)宣言の始まりNGO(オルタナティブ)宣言の始まりははっきりしていない。しかし、1992年の地球サミットの際に並行して開催されたNGOフォーラムにおいて採択された「NGO条約」に対して、毛利聡子は著書の中で、「NGOコミュニティによる初めての本格的なアジェンダの提示と捉えるべきだ」18)と記しており、また、同じ著書において、「1972年の国連人間環境会議においてもNGOフォーラムが開催されたが、その時にはNGOコミュニティによる世界世論に向けた共同の発議文書は作成されなかった。20年を経て、グローバルな政策対話の場での経験を積むに従い、NGOは正統性のある発言をすることに自信をもちはじめ、市民社会のエンパワーメントを図る気運が高まったと言えよう」18)と述べている。また、若井晋らは、地球サミット以降の一連の国連会議に関して、「これら一連の会議では、国連の公式宣言文とは別に、『オルタナティブ宣言』が参加したNGOの『総意』として世界に発信されるようにもなった」17)と述べている。これらの考えより、NGO(オ17)若井晋・他編:学び・未来・NGO-NGOに携わるとは何か,p.39,新評論(2001)18)文献3,p.128863