ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

第27回最優秀賞1-4 NGOの分類NGOは、大きく3つのグループに分けることができる。1970年代初頭からの歴史を振り返ると、「草の根NGO」とも呼ばれる「実働型NGO」が最も早く発展し、次に、国内レベル・国際レベルで啓蒙活動や政策提言を行う「アドボカシー型NGO」が続いた。そして、比較的歴史は浅いが、NGO間の協議・協力を主目的とする「ネットワーク型NGO」は、極めて強力なものとなってきている。ただし、それぞれのNGOが必ずしも1つの機能だけを果たしているわけではなく、他機能的なNGOや、他分野での活動を行うNGOは多く存在する。以下に、その分類を挙げる。1)人道援助、開発協力などを行う「実働型NGO」は独自の活動に加え、しばしば◆政府開発援助(ODA)の実施に協力◆国際機関UNDP(国連開発計画)、ユニセフ、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)、UNFPA(国連人口基金)などの活動に参加2)啓発と政策提言を行う「アドボカシー型NGO」と研究機関は◆各国政府や国際機関に対する批判と緊張関係を保ちつつ新たな方向性を提案◆南のNGOとの協力関係―国際化を志向する自治体との共同作業を唱道3)「ネットワーク型NGO」と国連主催国際会議における「NGOフォーラム」は、NGO相互の協議と各種の課題につきキャンペーンを展開◆リオNGOフォーラム、対人地雷廃絶キャンペーン(ICBL)など第2章NGOと国連の関係NGOと国連の関係には、長い歴史がある。その中でも、「ネットワーク型NGO」による主な活動成果として、1992年の国連環境開発会議(以下、「地球サミット」)における大きな転換点を挙げることができる。本章では、地球サミット前後における、国連とNGOの関係の変化について述べる。859