ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

DIY世界の誕生に見る地球市民社会の構築-NGOの不可欠性の証明-第27回最優秀賞清水一紀要約「人間社会が地獄に堕ちるのを防ぐために作られた」国連は、現在、192か国が加盟する大きな国際組織に発展した。その国連の目的を達成するための組織の1つにNGOがある。NGOの活動の拡大は、”Do-It-Yourself World”(DIY世界)の出現とも呼ばれている。そのDIY世界において、国連システムとNGOとの間には、行動原理の共通性がある。NGOと国連の関係は、現在に至るまで、様々な変遷を経てきた。当初「オブザーバー」であり、国連の記録に残らなかった「非公式」な組織であったNGOは、1992年の地球サミットにより大きな転換を迎えた。「パートナー」と位置付けられるようになったのである。しかし、地球サミット後、開発途上国の主張などにより、「NGOには交渉権がない」こととなった。以上のような右往左往する見解の中でも、NGOは着実にその存在感を増してきた。NGOフォーラム、NGO(オルタナティブ)宣言がその実例である。また、保健・人口・ジェンダー分野におけるNGOの活動は見逃せない。MDGsを達成するためにNGOの活動は必要不可欠である。そして、この分野におけるNGOの活動は、他分野のNGO活動の礎ともなる。例えば、NGOの南北格差の解消や社会開発の重要性などは、国際NGOの今後の活動によるところが多い。今、国際NGOの活動が世界を変え始めている。時代の要請として出現したNGOや社会運動が、ガバナンス改善のために地球市民社会の地平を拓きつつある。もちろん、歴史の帰結はオープンであり、どのような「地球市民社会」が誕生しつつあるのかについては、853