ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

三.新たな環境配慮型都市システムや技術の検証が正確かつ容易に行われるプロジェクトは、人口の移動が予想される地域に一から都市圏建設をすることが望ましい。既存の施設や制度、価値観を保持しつつ行う改革は、各種施策の効果測定が難しいのに対して、非常に明快に効果が確認できる。その環境都市建設の方向性としては、これまでの分析から以下の視点が欠かせない。一.環境都市移住者の都市建設参加二.人間生活優先の都市づくり三.環境都市建設地における、先住民との合意四.省資源、省エネルギー、ゼロエミッション実現のための先進的制度の導入五.省資源、省エネルギー、ゼロエミッション実現のための最先端技術の導入六.環境産業の誘致特に、一.二.三の視点は、人類共生の視点を反映したものであり、民族・宗教・価値観を超えて、地域と住民が環境保全のために一丸となって、都市の建設目指すために欠かせないものである。新都市建設であれば、共同作業を通じて多くの成果が期待できる。また、共生の意識がどこまで、環境保全、省資源省エネルギーにつながるのか、単なる技術の実験場でなく、行動の推移を計ることも目指す。また、共生の意識の涵養は、過密から過疎への思いにもつながり、自然な形で、都市の過密から過疎の発展への視線を向けることだろう。四.の視点は、政治・経済・行財政分野での実験となる。五.においては日本が世界をリードする場所ともなりうる。単に風力・太陽光発電を行うだけでなく、都市機能の集約、廃棄物利用、都市間交通、自動車の共有などもその対象となる。そして、環境都市が永続するために、次の環境都市建設に資する産業を誘致し、雇用も実現してゆく。550