ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

国連がすべき4つの活動第23回優秀賞齊藤由貴1.はじめに世界人口は1984年の47億人から2005年には65億人へとわずか20年で激増している。人口問題は途上国でも先進国でも内容は異なるが重大な問題である。途上国の人口増は貧困や開発などといった課題と絡み合っており、先進国の少子・高齢化はこれまでの生活を維持できるかといった課題に直面している。この論文では途上国の人口問題の解決にあたり、国連がどのような活動をしてきたかを振り返り、今後の課題を提案していきたい。まず、国連の人口問題への取り組みについて明石を参照し簡単にまとめてみたい。国連人口会議が1974年から十年ごとに開催されている。1994年にカイロで開かれた国連人口開発会議(ICPD)では、人口問題への視点がマクロからミクロへと変わったことが大きな特徴といえる。個人を中心とした視点や社会開発に力が入れられ、人口問題は「貧困撲滅、保険、教育、ジェンダー、人権」からとらえられるようになった。さらに、リプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利)とリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)という女性の視点を導入した概念が生まれ、男女の平等と女性の地位向上に力点がおかれた。(明石152)これはミレニアム開発目標にも明確に示されている。2000年のミレニアム・サミットで決められた2015年までに世界の貧困を削減するというミレニアム開発目標(MDGs)をUNFPAの2004年の世界人口白書をもとに内容を簡潔にまとめてみた。(11-12)1.極度の貧困と飢餓の撲滅2.初等教育の完全普及3.ジェンダーの平等と女性のエンパワーメントの促進501