ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

国連がすべき4つの活動第23回優秀賞齊藤由貴要約人口問題は貧困や開発、環境問題など、多くの問題と絡んでいるため、人口問題解決には一つ一つの問題の解決のための取り組みが必要である。国連では1974年から十年ごとに国連人口会議が開かれており、1994年の国連人口開発会議(ICPD)では、人口問題への視点がマクロからミクロへと変化したところに特徴がある。2000年のミレニアム・サミットで採択されたミレニアム開発目標(MDGs)は貧困削減が目標であるが、これを実現することは人口問題の解決にもつながる。MDGsでは、1極度の貧困と飢餓の撲滅2初等教育の完全普及3ジェンダーの平等と女性のエンパワーメントの促進4子どもの死亡率削減5妊産婦の健康の改善6 HIV/エイズ、マラリアその他の疾病の蔓延防止7環境の持続可能性の確保8開発のためのグローバル・パートナーシップの推進の達成が掲げられている。この論文ではMDGsをもとに国連が取り組んでいることをみながら、不足しているところや課題などを提示し、改善策を考える。まずは、発展途上国の人口増の現実を分析し、それに対する解決策として以下の活動について考える。第1に途上国への教育支援である。教育が貧困改善や健康と密接に結びついていることを、ユネスコの寺子屋運動によって所得が上がった例などで紹介する。第2にリプロダクティブ・ヘルス/ライツと女性のエンパワーメントである。それぞれの定義を説明し、目標達成に向けた取り組みの進展具合を分析する。第3にNGOや企業など多様なアクターとのパートナーシップである。ここでは成功している具体例を紹介する。第4に資金確保についてである。現状と改善案について論じる。そして、その他の国連の課題では人的・物的資源の不足と政治的指499