ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

第22回佳作A-18戦闘機を購入する一方で、ロシアからMIG-29を購入したり、韓国もT-80U戦車をロシアの対韓債務返済の一部として受け取ったりと、冷戦期にはとても考えられなかったような売買が生じてきている。これは、冷戦終結にともなって、武器輸出国が相手を問わずに市場を求めて販売競争を行っている結果であり、特にロシアは、外貨獲得のために最新兵器を割安な価格で熱心に販売している。62つの具体的対応策さて、テログループと核拡散のリンケージが懸念される中で、その防止対策で一番先頭に立っているのは、やはり米国である。世界の超大国である米国はやはりテログループにとっての一番のターゲットであり、それ故米国も国内及び世界に情報網を張り巡らせつつ、テロ回避の対策と対応を常に細心の注意を払っている。そういった状況下において、ブッシュ米大統領が核攻撃といった事態をあらかじめ回避するために、抑止の概念に基づいて新たに採用したのが先制攻撃手段である。ある一定の情報に基づいて、その対象国または団体が「危険」と判断された場合は、具体的行為がなされていなくても、先制攻撃を仕掛けることができるという対処法であり、それは2002年9月20日に発表された「米国国家安全保障戦略」7において「プリエンプティブ・アクションズ」と称されて登場したものであり、別名「ブッシュドクトリン」とも呼ばれている。アフガニスタン及びイラクに対する攻撃では、米国はこれに基づいて軍事行動を行ったのであるが、イラク攻撃に対する国連での一連のやりとりまたは各国報道の受け取り方等を見れば明らかなように、現在この考え方に基づく措置は認められるのか否か、または国際法的に合法なのか違法なのかという議論がなされている。第2は、管理の概念に基づく新たな核拡散防止策としてのPSI(拡散安全保障イニシアチブ)である。ブッシュ米大統領は2003年5月31日、ポーランドのクラフク市にあるバベル城にて演説を行った。この時大統領は、「平和に対する最大の脅威は、核・生物・6 International Institute for Strategic Studies ed, The Military Balance 2001-2002, pp.109-111.7 The White House,“The National Security Strategic of the United States of America”, September 17, 2002, pp.15-16.469