ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第9回佳作てしまう。日本国内には日々凡ゆる情報が流れ、広大な頁数の新聞が毎朝配達され、雑誌や単行本が店頭に溢れ、そして録に読まないうず高い病品として棄てられていく。ニュースや教宣の内容は多分に商業ベースの節に掛けられ、国によっては、国内問題の視点をそらす為、他国の非難やアンチ共存をモットーとする所さえある。私達が若い頃、米英は鬼であると思い込んだりしたと同じ過ちを犯しそうな教宣が、今猶存在している国さえあるように思う。日本のマスコミにしても民衆の不安や不満をアピールする事には熱心であるが、この辺で民衆も我慢すべきだ。調和すべきだとは言わない。常に大衆が善で、偽政者が悪の論調である。この風潮は日本だけでなく世界の風潮でもある。これでは世界の共存共栄に向けての諸施策遂行に対する理解は中々得られない。国連が如何に懸命にやっても、マスコミに歪曲されては元も子もない。この意味に於いて、国連が強化されればされる程、マスコミとの連繁が重要になって来る。世界の人々の目や思考を徐々に世界的視野に広めてゆく為の教宣活動が大切である。そして各国民は国間ニュースと同等の比重で世界のニュースを知り、世界人としての意識を高め、国連の活動内容について国政と同等或はそれ以上の関心を持ってくる様な状態が望ましい。扨て、先に国連軍の常設を提唱したが、最初の段階は各国の軍隊を割合いして編成せざるを得ないであらう。この時期には日本も憲法が改正されて。日本だけが軍事についての国連協力が出来ない様な愚は避けられる体制とすべきである。国連が段階を迫って国連独自の軍隊を養成し人材は広く世界から求め、世界の人々は国連軍人になる事が栄誉であるといった風潮になる事が望ましい。その反面で国連は常に必要最小限の軍事力に止める様、神経質でなければならない。ところで過日の某新聞の社説では、第47回国連総会に於けるガリ事務総長の報告書について「国連の機能強化、活性化には賛成であるが、紛争の事前にPKFを派遣したり、国連に平和執行部隊を設置したりする事は、日本のPKF強力法に反するから反対だ。」との論調を掲げた。即ち、総論賛成各論反対である。一方日本国内ではPKO協力法そのものにも反対する人は多い。そしてマスコミは、そう言った人々の心情を更にあおる様な論調を掲げる。97