ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第16回優秀賞このような場合には、結局、同盟関係に一時的に頼りながら、地域組織の紛争処理機能を回復すべくあらゆるネットワークを駆使して努力するしかない。96そのためにも、紛争に関するシュミレーション作業を日常的に行い、同盟国間で協調体制を強化し、様々な地域組織との連携を通じて紛争に対応できるネットワークを様々な形で構築しておく必要がある。非公式な平和連合ネットワークの形成:国連とNGOこのような地域と国連の連携体制の構築にあたり、NGOに参画を求めることも忘れてはならない。特に早期警報や紛争解決の分野において、NGOは優れた技能と経験を蓄積してきた。97情報収集、調停、交渉術の開発など、紛争解決に携わるNGOが増えている。交渉や仲裁にあたり、系統的な知識を有する専門家組織の技能は必須と言えよう。国連は、政府代表、NGO、研究機関、シンクタンク、国連事務局など様々な組織との間に非公式な平和連合ネットワークを構築してゆくべきである。98また、早期警報と紛争予防のグローバル・システム確立のために、地域レベルと国際レベルの専門家が情報とアイディアを交換する場となる地域的ワークショップと研究活動を設けるべきである。99紛争分析のためのグローバルな年次会議の開催も求められる。地域紛争の研究者、地域紛争の指標やデータベースの専門家、国連関係機関の責任者、予防外交と紛争解決に従事する政府間機関、NGO代表、などが一堂に会して信頼醸成と持続可能な協議メカニズム設立を討議することも必要だ。100紛争関連の資料センターを拡充し、NGOもアクセスできるようなインフラ整備を行うべきである。101構成主義の挑戦:人権・国家主権を巡る国際規範形成の可能性以上、検証してきたように、国連の紛争処理機能は、関係諸国が抱く異なった国益観や、人権・国家主権といった社会の基本理念に関する異なった価値観の狭間で、綱渡りのように非常に微妙なバランスを保ちながら徐々に発展してきた。96岩間陽子、p.1797クマール・ルペシング「序章」、p.2498クマール・ルペシング「序車」、P.2499クマール・ルペシング「予防外交の推進のために」、p.336100クマール・ルペシング「予防外交の推進のために」、p.327101ハンス・トーレン、p.264845