ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第16回最優秀賞武器使用、5国際的性格の維持」としている(神余、前掲書、15ページ)。(61)ガリ事務総長は、「平和への課題:追補」において、1995年前後のPKOの成功と失敗について、成功した場合はみな前述の3つの原則が尊重されており、あまり成功しなかった活動では3つの原則が尊重されていなかった、と述べている(Boutros-Ghali,“Supplement”, para.33、訳は国連広報センター、“課題”、12ページ)。(62)尤も、UNOSOMⅡをPKOと考えるか否かは研究者によって異なる。例えば、福田氏は「UNOSOMⅡは憲章第7章を根拠とし、(中略)最初から武力不行使の原則を捨てたものをPKOとするべきではない」という考えから、PKOではないとしている[福田菊『国運とPKO-「戦わざる軍隊」のすべて-』第2版、東信堂、1994年、(第1版、1992年)、231-23ページ]。一方、神余氏は、UNOSOMⅡは「PKOと平和執行部隊(筆者注:平和強制部隊のことである)との中間に位置する」とし、ガリ事務総長の「拡大PKO」という表現と共に「第三世代のPKO」としている(神余、前掲論文、1183-1184ページ)。また、香西氏はUNOSOMⅡをPKOの平和強制との複合現象であると指摘している(香西、前掲論文、28ページ)。(63)香西氏は、「世界平和実現のために国連が持つ諸手段は、いずれも『万能薬』ではなく(中略)、問題はこれらの制度をいかに有効に働かせるかであり、それは関係国がこれらをいかに活用するかにかかっているといわねばならない」と指摘している(香西、同上論文、30ページ)。(64)1993年10月にアメリカが撤退を決定すると、それに続いて、他の部隊提供国も自国部隊のソマリアからの撤退を決定した。そして結局、安保理が1994年11月にUNOSOMⅡのソマリアからの撤退を決定し、1995年3月末までに撤退が完了した。(65)注(44)参照。(66)神余、前掲論文、1189ページ。それによると、UNOSOMⅡ司令部とイタリア部隊との間で、首都モガディシュにおける任務を巡る意見の対立があり、イタリア外相とガリ事務総長との間の書簡交換の結果、イタリアのモガディシュ駐留8部隊の配793