ブックタイトル佐藤栄作論文集９～１６

概要

佐藤栄作論文集９～１６

リ・マハディ氏を含む15の紛争当事者が参加した国民和解会議によって成立した。この合意では、停戦合意、全武装勢力の武装解除、紛争当事者によるUNITAF、UNOSOMの支援要請などが明記されており[The United Nations, The UnitedNations and Somalia: 1992-1996（The United Nations Blue Books Series,VolumeⅧ）, The United Nations Department of Public Information, 1996（以下“Somalia”と略）, pp.264-266]、これがUNOSOMⅡ派遣の根拠とされる。（23）柴田、前掲書、39-43ページ、松本、前掲論文、8ページ。（24）松本、同上。（25）柴田、前掲書、39-43ページ、及び松本、同上。（26）川端・持田、前掲書、61ページ。（27）The United Nations,“Somalia”, p.28.（28）神余氏は、「ソマリアにおいては、食糧自体が戦略物資であり、その収奪が軍事戦略の一つとなっている。（中略）このような状況下でPKOが人道援助の保護を行うことは、停戦監視などの伝統的任務に比し、戦闘に巻き込まれる危険がはるかに高い」とし、「ソマリアは、人道援助支援をPKOの任務にすること自体の問題点が問われるべきケース」であると指摘している（神余、前掲書、88-89ページ）。（29）S/RES/751, 24 April 1992, preamble para.7.（30）則武氏は、両氏が停戦監視機構および人道援助の公平かつ実効的配送に関する協定（S/23829 and annexⅠ、21 April 1992）に調印したことを受けて、停戦監視と人道援助輪送（つまり筆者がいう人道的支援活動の保護）を職務とするUNOSOMⅠが設立されたことを指摘している（則武、前掲論文、23ページ）。（31）国連機関、NGOの間では、UNITAFの派遣によって治安が安定し、また人道的支援活動が円滑化するという見地から賛成する意見と、多国籍軍であるUNITAFが派遣されることで、紛争当事者を刺激し、逆に人道的支援活動がより困難になるのではないかという見地から反対する意見があった。また、加盟国間では、これに加786