ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

ページ
746/912

このページは 佐藤栄作論文集9~16 の電子ブックに掲載されている746ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

佐藤栄作論文集9~16

ストコンピュータが一つもない国は、26ヶ国もある(7)。また、こうしたインフラ整備の格差は、メディア帝国主義を生み出すのではないかという懸念もある。一般に言われるように、先行する規格設定者は競争の圧倒的優位に立ち、出遅れたものはいつまでも自立出来ないまま「南北問題」が構造化するのである。2.4.地球規模問題群の政治化地球環境問題、人口問題、食糧・エネルギー問題などは、問題が国境を越えており、これまでの主権国家による国際体系だけでは解決が困難な問題群である。このような諸問題を総括して「地球規模問題群」と呼ぶが、これらはグローバリゼーションの「負の」側面である一方、閉鎖した系としての地球意識を高め、国家間の国際協力を必然的に強める働きをもっているという点で、グローバリゼーションの原動力ともなりうる。まず、この中で地球環境問題について取り上げてみだい。1980年代になって、地球全体を視野とした環境問題が論じられるようになった。地球環境問題の政治化である。具体的には、特定フロンガスによるオゾン層の破壊、窒素酸化物、硫黄酸化物などの大気汚染による酸性雨、砂漠化、等が指摘できる。この「地球」環境問題は、従来の公害問題とは大きく異なる点がある。そのうちのもっとも主なものは、従来の公害において被害者であった市民が加害者でもあるという点である。自動車の排ガスはもちろん、フロンガスを使用したスプレーの使用、など誰もがその加害者であり、一方でその被害者でもある。このような環境問題は、大量消費、廃棄を基本にする経済社会のあり方、ライフスタイルに起因しており、それらを見直さなければ改善されない。同様のことは資源・エネルギー問題にも言える。先進国による一人当たりのエネルギー使用量は途上国の何倍もあり、南北問題の様根も呈すが、資源使用量が鰻登りに増大していることから、まず資源が早期に枯渇してしまうことが懸念されている。一方人口問題に目を向けてみると、一時の急激な人ロ増加率はやわらぎつつあるが、人口自体は依然増加傾向にある。中位推計による2000年の世界総人ロは61億人、2050年では94億人となっている。人口増加に対して適時に対処しないと、食糧や飲料水の確保、744