ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

ページ
74/912

このページは 佐藤栄作論文集9~16 の電子ブックに掲載されている74ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

佐藤栄作論文集9~16

えられていない。国を発展させるのには多くの有能な人材が必要なのだから、国連がその人材開発の協力をすべきだろうと私は考える。アフリカ、アジアを中心とする経済未開発地域に多数の国連の運営する全寮制の学校を組織し、貧困に悩む家庭から子女を預かって普通教育、英語やフランス語など語学教育、技術教育を彼等がまだ幼い時から始めるのである。優秀な生徒は先進国の大学に留学させ、その後は故国に帰って政府の官僚となるなり仕事は自分で選択させる。途上国の通貨は弱いのだから、それほど経費もかからずに学校は建設、運営できる。それにこの教育の効果は非常に大きい。道徳を含む高度な教育を得た人間は宗教、人種、性別による差別をしなくなる。お互いへの尊重の欠如から生まれる紛争の予防ともなり得るのだ。また、教育は人口抑制への大きな布石でもある。開発途上国での子供に対する搾取、虐待等の問題も社会の貧困がもたらした病巣である。教育を受け、社会進出を始めた女性は自らの意思で子供の数を決定するだろう。[D]国連教育機関地球の資源は限られており、かなりの量が既に使われてしまった。我々は新しい技術の開発と残存した資源の使用をコントロールすることによって地球からの燃料が消滅し、経済、農業の破綻という最悪の事態を避けなくてはならない。現在地球に残された資源フロンティアは南極と海底であろう。南極には数カ国が領土権を主張しているが、発見者がはっきりしない上に、多数の人間が居住しているわけでもない。従って南極は国連の管理下に置き、世界全ての人間の利益になるように利用されていくべきである。現在海底や分厚い氷の下に巨大な鉱山を作り得る技術はないので、技術革新を待つ間、国連は資源管理機構を設立し各国の勝手な開発と環境汚染を監視しなくてはならない。そしてただ盲目的に使っていくだけでなく、今までの技術をより安全で効率的なものに変えていくために、各国の技術協力を推進させるべきである。[E]武器輸出管理委員会今日軍需産業は軍縮の波に流されて不景気に陥っているが、いまだその経済効果と重要72