ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第15回佳作の、国家の境界を超えた拡大であり、世界の<市場化>である。また、グローバリゼーションによって世界の<情報化>は一段と加速化された。現代の<情報化>の真の原因は、情報を大量生産する現代社会の構造的な特質、即ち「情報が市場に乗り、たえず革新を要求され、それに応えて情報生産が急速に専門化されたこと・・・。新商品のマーケティングが技術と意匠という名の情報を増産したこと」が、その根底にある(#7)。現実に、前述のインターネットのおかげで地球のどこに住んでいようと、共通のデジタル画像で相手を見ながら交信でき、人々は国境線というものに以前ほど縛られなくなった、そして忘れてはならないことは、第三の基本軸として、<世界の共有化>がある。グローバリゼーションの円滑な進展は、当然、共通の価値やルールの共有が在って初めて可能となる、異なる文化、習俗に属する人間は、まず互いに話し合い、グローバル・スタンダードの共有化を図らねばならない。さらに大事なことは、人類の前途に待ち受ける「ヒューマン・クライシス」を前向きに意識して、人類存続に対する「危機意識」と、異質なものを受け入れる寛容と思いやりの「共生意識」を<共有化>することではないだろうか?ジョン・レノンの「国境のない世界」は、加速化するグローバリゼーションの潮流三つの基本軸、<市場化>、<情報化>、<共有化>が互いに絡み合い動きの中で、時空を超えた「宇宙意識」を高らかに歌ったといえよう。人類はいま正義、富の分配、連帯などの在り方を求めて、新しい文明と精神の創出、創造的な英知の結集と実行を切望している。ここに、国連とその協力機関が新たに構成する「国連衛星共同体」(UN SATELLITE CONSORTIUM略称UNSC)に対して新たな役割が期待されるのだ。自前の基金を運用し、「かけがえのない地球」上の人間一人ひとりの「ヒューマン・セキュリティー」を提供する「世界保険機関」(WIO)の役割も当然、国連を中心とするUNSCの有力メンバーとして、人類皆のためのプロジェクトを共有し推進する役割を担うのである。新しい「国連衛星共同体」(UNSC)と「世界保険機関」(WIO)の創設こそ、「21世紀の世界が真に期待する「国境なきヒューマン・セキュリティー」のために国連が果すべき735