ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

自発的に購入してもらい、その購入代金(ボランタリ・ファンド)は、「国グループB」の国々のための保険料として、毎年WIOに納付する。?「WIO保険カード」「WIO保険カード」の登録(登録者の住所、氏名、国籍、その他を明記)と保険業務の管理は、世界的なサービス・ネットワークを有する優良損害保険会社に委託する。?保険料の算定保険料の算定は、一般の生命保険と類似した考え方に基づいて、その国の健鷹状態、すなわち予測される環境破壊、その他のカントリー・リスクの程度に応じて行われる。このWIO地球現境災害保険の保険料算定において、最大限に多くの人が、生活の実態に合わせて「環境への負荷」を負担する仕組みを作ることも考えられる。なお、ワールドウオッチ研究所のレスター・ブラウン所長は、「所得税を軽減するかわりに、炭素排出や有毒廃棄物の生成など、環境を破壊する活動への税を重くすべきだ」と主張し、環境税の重要性を強調している。環境税とWIO保険料の算定との関係は、今後の研究課題である。「ヒューマン・クライシス」に対する人間一人ひとりの「ヒューマン・セキュリティー」を確かなものとするため、WIO創設のために実行すべきことは、まさに危機管理の要締である「長期ビジョン」の確立と「長期投資」の安定的確保の枠組み作りである。「長期ビジョン」の鮮明なイメージによって明確な行動目標が定まり、「長期投資」によって目標達成に向けた努力が具体的に資金的に裏付けられるからである。1995年1月17日に発生し多数の死傷者を出した阪神・淡路大震災の場合、善意の義援金は世界中から届けられ過去最高の1780億円ほどに達したが、地球上の災害発生は今後ますます頻発する傾向にあることを考慮すれば、善意の義援金はあまり当てにならないことを知るべきである。むしろ最低限の緊急資金は日頃から確保しておくことが、過去の尊い犠牲者からの教訓を活かすことになる。「ヒューマン・セキュリティー」の観点からもWIO創設の早期実現が必要であり、その成果が大いに期待される。ここで、もう一度グローバリゼーションの意味するところを考えてみたい。これは市場734