ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第9回優秀賞すことになるだろう。また、従来総会では代表者が国を代表しているので発言に政治的意図が絡まざるを得ない。しかし、基本的に彼等が民族、ひいては世界を代表していればそのようなことがなく、それぞれが個人、民族の意思に基づく選択ができる。そして大国追随型とは異なる、最も優れた意見が個人の意思によって選ばれ、国際社会に提案されるであろう。[B]政治犯罪裁判所第二次世界大戦後に行われた東京裁判では平和に対する罪、殺人及共同謀議の罪、人道に対する罪、といった今までに全く存在しなかったやり方で戦犯が指定され、糾弾されていった。犯罪者はその時点までに存在していた法律によって裁かれるという基本事項さえ無視されたのである。しかしこういった事情によってあの裁判全てを否定するのは間違いである。我々が教訓として東京裁判から得なければならないのは戦争犯罪は公正に裁かれなくてはならないということだ。見せしめ、または報復目的で行われる裁判を防ぎ、旧体制指導者達の人権を守るために国連は政治犯罪裁判所を設立しなければならない。まず、国連の総会において東京裁判のときに戦犯達が問われた三種類の犯罪と権力の濫用などを制限する国際法の明文化が要求される。裁判官達は当自国以外の第三国から選ばれている必要がある。そして国連の総会で承認された法律と、当自国の法律に基づいて判決を下さなくてはならない。双方に矛盾が現れたときは国際法を優先する。もちろん、戦勝側も人道に関する罪と言った点で違反しているなら彼等も裁かれるべきだ。勝者の正義を法廷内に持ち込ませてはならないのである。また戦犯だけでなく、パナマのノリエガ将軍のようなケースもそこで裁きを受けさせるようにしなくてはならない。アメリカのパナマ侵攻の正邪は論議しないが、ああいった他国の指導者を自国の法で裁くというのは不公平ではなかろうか。基本的に極刑は無期懲役を限度とするべきだろう。[C]国連教育機関最貧国と言われる国では階級の差が著しく、下層階級に属する人間には教育の機会が与71