ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

「グローバリゼーションの流れの中で国連の果たすべき役割」今一三男1.冷戦後世界のグローバリゼーションの潮流「国境のない世界を想像してごらん」とジョン・レノンは世界中の無数の著者に向かって歌い、その魂を揺さぶったことは記憶に新しい。が、冷戦終結を狂喜して迎えた世界は、まだまだ国や民族の厚い壁に阻まれ、国家エゴや国益の対立のためにナショナル・セキュリティー(国家安全保障)に絡んだ軍事的紛争問題が後を絶たないのが現実である。東西冷戦構造の衝撃的な崩壊で、この10年間、世界は国境という歴史的枠組みを超えて大変化の潮流に巻き込まれた。唯一のスーパーパワー米国を一極とする新世界政治体制の下で、次の三点がグローバリゼーションの波を受けた中の世界の動きとして注目される。?グローバリゼーションによる競争の激化人口は倍もある旧共産圏の人たちが一挙に市場主義経済に組み込まれ、ヒト・モノ・カネ・技術などのグローバリゼーションの潮流が、ウォールストリートとワシントンによって宗教的な熱意で、かつ戦略的に促進された結果、従来の国家的規制や業界の枠組み、ルールから解放された先進国の企業は、アメリカ型市場経済を価値基盤として、従来以上に世界に広く商機と市場開拓を求め、企業相互の自由競争を一段と強めながら、資本と技術の国境を超えた移転を飛躍的に進めた。そして世界は、今やグローバル・コンペティションの時代、すなわち地球規模で「合理性と効率性に徹する資本の論理」に従った市場創出と争奪の「自由経済戦争の時代」に突入したのである。それは資本主義のより高次の世界化・普遍化をもたらす一方で、勝者と弱者の線引きを冷酷に下す「優勝劣敗、弱肉強食の戦国時代」の出現を意味する。724