ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

ページ
716/912

このページは 佐藤栄作論文集9~16 の電子ブックに掲載されている716ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

佐藤栄作論文集9~16

遅れやインフラ面での不備がワッセナーアレンジメント体制で指摘されており、それに対するバックアップも不可欠である。<輸出に対する包話的規制制度>これに対し包括的な輸出国の機動性と実質管理能力を持ったレジーム作りが輸出面での対武器拡散体制として必要となる。これは基本的にワッセナーアレンジメントの強化改革という方針で国連下の組織とすることを念頭に、次のような体制を提案したい。まず主要な武器供給国であるP5とドイツ、それに日本を加えた運営委員会を殻防衛援助技術援助〈運営委員会〉P5+独、日本米+日本ロシア、中、仏、英、独他の武器輸出国合意立する。なぜ日本がこれに加わるかは後述する。P5とドイツで全輸出の約85%が管理できることになる(1993-97年の主要通常兵器総計;SIPRI 1998による)。この委員会により、年度毎の通常兵器の総輸出量、規制品目、輸出規制の査察、またブロック内の国毎の内訳が合意に至らない場合はそのブロックの国別内訳強硬取決が採決される。これらの、言わば非常に一方的な供給制限を行う以上、前出の輸入規制ブロックとは趣向を異にし、被規制側に説得力を提示できるだけの運営委員国の軍縮を実行することが肝要となる。この委員会の下に可能な限りの兵器輸出国が位置し、運営委貝会のバックアップ、有り体に言えば政策に合意してもらう。特に1997年に至ってオランダ、イタリア、スペイン、ウクライナ、モルドバがかつての兵器輸出大国だった中国を大きく凌駕し、主要武器供給国として台頭しているのは注目に値し、これら諸国の同意を得るのは非常に重要である。このような運営委員会と有力国との関係があたかも安全保障理事会と総会の様相を呈しているとおり、これは結果的に現国連の力関係を反映している構図となる。この体制の狙いはワッセナーアレンジメントで最も懸念されている脆弱な拘束力を克服することにある。この脆弱性とは輸出の事前達告に強硬に反対したロシアへの譲歩、そして輸出許可の各国裁量と714