ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第9回優秀賞続行する場合は断固排除するという強さは必要である。ソマリアの様に通常手段ではどうにもならないほど全土が混乱し、一般市民まで武器を持つようになった場合は国連軍が総会、安全保障理事会双方の決議で全てのエリアを制圧し、完全な武装解除、国を分割する必要があるなら公平な分割と民族移動、公正で男女間や民族間の差別のない選挙と民主的政府の確立、地域における対立勢力間の友好回復まで国連が地域を管理する。ある程度の犠牲者は出るだろうが、これくらいの大鉈を振るわないと自体は膠着し、飢え、寒さなども手伝って犠牲者は増えるばかりだ。国連軍の創設には、人材と費用が必要である。今後は各国が応分の人と金の負担が必要であるが、それは先進国のみならず加盟国全てに対して求められるものである。[C]経済社会理事会と関連機関、専門機関経済社会理事会は国連専門機関など国連外の機関と協力して経済的、社会的、人道的な諸問題の解決を目的とする。南北問題の解決が最重要課題となった今日、以前より重要性は増している。ごく一部の国のみ経済的に富み、他の大部分の国が貧困に喘いでいるという状況を放置しておくと、いずれその貧困が国境を越え、海を越えて全世界に広がる。南北問題はアフリカや南アメリカ、アジアだけの問題でない。また一方でそういった問題の単純解決は巨大な市場を生み出すということで、利権のぶつかり合いを生じやすい。経済社会理事会は先進国にどの様な地域にODAを振り分けてほしいかはっきり伝えそのイニシアティブを取るべきだ。もう既に経済的にやっていける国に対して大規模な援助を政治目的でばらまかれるよりは、そういった資金を国連に託し、配分してもらえばいい。またはODAの使用途を限定し(それくらいの権利は援助国にあるはずだ)、国連にその管理を頼むという形はどうであろうか。今まで中途半端な金銭のみの援助が汚職、無計画な開発による環境破壊、受け入れ国の特権階級の横領という無駄というより逆効果まで生んできたのだ。経済社会理事会がそういった資金を元手に専門家を雇い、無理の無い計画を立て受け入れ国の政府と協力して受け入れ国の自立のために協力するようにすればそれこそ援助が生きるというものだ。69