ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第15回優秀賞である。特にこれらの兵器がソ連に集中するのを避けるため、地域的な分散による軍事バランスをとることに重心がおかれた。削減の方法としては兵器破壊及び非軍事目的への転用を主な手段とする。<目的>・ワルシャワ条約機構側の圧倒的優勢にある通常戦力を大幅に削減し、NATOとの戦力的均衡を図ることで欧州の軍事的安定化を保つ。・奇襲攻撃及び大規模侵略能力を抑えることによって欧州における戦争発生の可能性を避ける。<成果と課題>対象地域を欧州全域に拡大したこと、さらにソ連の欧州部分まで削減対象地域とされたこと、戦車や火砲などの兵器を削減対象とすることによって実質的な兵員の削減をも可能にしたことなどの成果があった。これにより兵員数で1.5倍、通常兵器では3倍もの優勢にあった東側が非対象な削減に応じたことになる。欧州通常戦力条約においては条約対象兵器に対する一層の削減および各国の兵員規制について合意がなされることを目的に継続交渉が行われることになっており、信頼醸成的なフォローがなされている。このような措置によって兵員保有数はNATO諸国においてはギリシャとトルコ、東欧諸国においてはポーランドとスロバキアを除いておおむね目標を達成している。(次表)兵器保有数とCFE条約による削減NATOWTO戦車23,022(-3,022)51,714(-21,648)装甲車43,674(-13,647)80,112(-44,000)火砲18,514(+1,486)49,102(-29,102)戦闘機5,900(+900)9,800(-3,000)戦闘ヘリコプター1,005(+995)1,985(+15)マイナスは削減数、プラスは可能増数。「ミリタリーバランス」1989-90による。699