ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

約交渉である。こうして始まったオタワ・プロセスにおいて、地雷は廃棄のための訓練目的に最低限であるもの等を除いて使用・開発・生産・貯蔵またそれらに対する援助が規制され、包括的な合意がなされた。自国の主張があまり反映されなかった米国、主要な地雷生産国であるロシア、中国、インド、パキスタンなどが未署名であるが、各国の実状にあったスビードで全廃への継続的努力がなされる実効性をもった規定が考慮された。ここまで改善に向けての努力がなされてもなお、検証方法や制裁方法などの些末な不備を完全になくすことはできなかった。これは検証措置を厳密化することで交渉が決裂することを懸念した譲歩と目されており、実効性に相対した参加国の離反という根本的な問題が起因していると言えよう。さらにこれらとは次元を異にして、机上の条約がいくら取り交わされても、その安価性と地形上の戦略的価値による途上国の使用は完全になくなるとは楽観できない。<今後の展望>このように、地雷に対する国際的な規制強化の取り組みは活性化してきてはいるものの、その違反に対する制裁措置規定もなく、中国やインドの拒否反応といった軍事大国の足並みの乱れも否めない。上に触れたように、地雷は安価でしかも攻撃側の危険性が実戦に比べて低いことを考えると、特に発展途上国などでの今後の全廃は困難であるように思われる。欧州通常戦力条約:CFE条約<概要>冷戦期の欧州における通常兵器の東側が圧倒的に有利な情勢を是正するため、NATO諸国がWTO諸国に交渉を持ち掛け、紆余曲折を経て欧州安全保障協力会議プロセスの一環として通常戦力及び信頼・安全醸成措置に対する合意に至った。これは戦後初めての通常戦力に関する軍備管理・軍縮条約であり、厳格な査察を通じて条約の実施が相互に保証される。この条約の対象とする兵器は戦車、装甲車、火砲、戦闘機及び戦闘ヘリコプター698