ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第15回優秀賞「冷戦後におけるグローバルな通常兵器管理体制へ向けた国連の役割」矢部千晴要約冷戦が終結し、それまで東西対決のもとに抑えられていた民族・地域紛争が表面化して21世紀は小規模紛争の本格化を強く意識させる時代となった。本稿では、グローバルな通常兵器管理体制を名実共に整備することによって、あくまでも当面の軍備の拡散を抑止することを第一義とし、それを足掛かりとして将来的に穏やかな軍縮傾向に向かうことを理想とする。本稿では便宜的に地雷についても触れるが、全体としては非人道的通常兵器や大量破壊兵器などを含まない通常兵器管理を中心に論を進める。機動性と実質管理能力をもつレジーム生成とはどのような形態を持ち、どのような要素が必要なのかを分析し、そのための主体としての国連の役割と可能性について考察する。おおまかな構成として1~3章で現状の問題点と将来的に必要な要素を提起し、4~5章でそれに対応し得る1つのモデルケース的なレジームを国連を主体として考える。第1章では冷戦終結後の現在なぜ通常兵器管理体制が必要なのかを述べる。第2章では冷戦後の国際的な通常兵器管理に関する主要な各レジームの現状について述べ、その可能性と限界について分析する。なお、レジームの定義については解釈が分かれるところであると思うが、ここでは制度や合意、機構などを束にした、広い意味でのものとする。第3章では大国のイニシアティブがグローバルな軍備管理体制に不可欠なことを踏まえ、通常兵器管理が経済面にどのような影響を与えるのか主要な武器輸出国を中心に考察する。特に、通信技術の革新による米国の経済界と同国の安全保障体制との対立、そして693