ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

越える国の計12カ国に、地域を代表する国11カ国を加えた合計23カ国の閣僚クラスからなる理事会に変革することを目指している。いずれも、現在の経済社会理事会を強化することが目的であるが、これに各専門機関との間の調整を行う強力な事務局が必要となる。3.日本の役割従来の二国間経済援助を通じた日本の対外協力は、各国から相当の評価を受けているが、それが日本の世界的な政治力には、充分結び付いていない。その原因は日本の国内政治そのものにもあるが、やはり国際政治に対する理念が無く、特に国連の場における活動が余りにも少ないことが原因であると思われる。世界における日本のリーダーシップを促進するためには、日本は従来の二国間協力から、国連と他の国際機関を通じた世界的協力に重点を移さなければならないと考えられる。それを安全保障と経済社会開発の2つの分野で考えてみたい。平和憲法日本は世界に類例のない平和憲法を維持する国である。それは非現実的な理想主義にもとづいてアメリカから押し付けられたものだとする主張があるが、その草稿は日本の意向と実態も考慮して作成され、日本国議会において裁可したものであって、日本がその憲法すべてを否定することはできない。日本国憲法の特徴は言うまでもなく、戦争放棄である。第9条の「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、これを放棄する」という規定は、絶対化された軍国主義によって侵略を行い、近隣国に悲惨な犠牲を与えてきたことへの、日本自身の真摯な反省を現わしているとは言え、見方によれば、この条文は確かに戦勝国側から押し付けられたものであり、日本のディグニティ(尊厳)をも放棄する屈辱的条文であるとも言える。しかし、ここに盛られた平和主義は、二度にわたる悲惨な世界大戦への人類の反省として表された国際連合憲章の精神をふまえ、地上のど606