ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

てみたいと思う。その方法としては、近代世界システムの特徴を、1近代主権国家をその最も重要な構成要素とする、2非主体型の世界システム、3経済的には資本主義的な1つの分業体制に統合されている、という3つに分け、そのそれぞれがどのように変化しているのかをとらえる、という方法をとる。まず、1に関しては、世界システムの構成要素である国家の重要性が低下し、非国家の重要性が上昇したことで、システムを構成する要素が多様になった、ということである。もちろん、「ポスト覇権システム」が捉えるように、国家はこれからもシステムの重要アクターであり続けるだろうが、相対的な影響力の低下は免れえない。次に、2に関してであるが、これは全く変化していない,と言えるであろう。3は、その度合いをより強めたと言えるのではないか。システム全体の資本主義化だけでなく、そのシステム内部の各国国内という小システムにまで資本主義は徐々に浸透しつつある。これは、近年の社会主義経済国の資本主義経済への移行という現象から容易に理解できることである。このような、「世界新秩序」に対応した政治・安全保障とはいかなるものなのか。次のセクションではそれについて考えていく。Ⅲ.世界新秩序に対応した政治・安全保障のあり方これからの世界新秩序は如何なるものなのか、ということがわかったところで、次に本レポートが焦点を当てている政治・安全保障、それも世界新秩序に対応した政治・安全保障のあり方について議論する。1.「世界新秩序」における政治・安全保障の状況ここでは、「世界新秩序」における政治・安全保障状況について言及する。以下、軍事的脅威及び対抗の方法、安全保障システムの基底概念、各国の行動原理について検討する。軍事的脅威及び対抗の方法「世界新秩序」の構造は、アメリカを第一人者とする多極の構造で規定されるので、二560