ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

「21世紀への世界新秩序形成と国連の機構改革(特に安全保障理事会改組)について日本は何を主張し如何に行動するか-政治・安全保障面からの考察」板山真弓要約現在、世界は移行期にあり、「世界新秩序」とでも呼ばれるべき新しい世界システムの形成へ向けて動いている。このような「世界新秩序」は現在、形成途上の状態にあるために現在の時点ではその明確なアウトラインは掴めない。しかし、本レポートでは3つの分析(静態分析・動態分析(循環論)・動態分析(趨勢論))によっておぼろげながらもその姿を呈出することに成功した。それによると、「世界新秩序」とは、「第一人者型」の多極の構造をしており、そこには覇権国は存在せず、各国の協調と利害調整によってその秩序が維持されるような世界である。また、最終的には、様々な主体が活躍し、普遍的なイデオロギー(自由主義的民主制、市場経済)がシステム大に浸透している「新しい中世」的な世界システムになると考えられるが、短・中期的にはイデオロギーの浸透度合いで分けられた「3つの圏域」より成る世界システムであり続ける。以上のように「世界新秩序」を分析した後、この「世界新秩序」に対応した安全保障のあり方について議論する。ここでは、脅威の性格に対応した安全保障システムの類型を提示し、その中でも特に「世界新秩序」に適応した安全保障システムを協調的安全保障システムであると定める。したがって、ここで、協調的安全保障システムを世界システム大に拡張し、維持することが「世界新秩序」の安定のためには必須である、という結論が導き出せるが、そのための条件として、共通の価値観(共通のイデオロギーの保持)を基にした大国の協調が提示される。その後に、「世界新秩序」に対応した国連のあり方について述べる。ここでは、主に安546