ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

そうで当たり前であるが。この問題の解消策の1つが、この国際学校であろう。すなわち、UNUの全スタッフが講師となり、個人的チューターとなって指導する態勢を組めば、当初こそ手間がかかるであろうが、既に英語力も一級の学生たちのこと、十分に助手として活躍すると予測できる。教育の内容も、エナ方式で、徹底的にチューターについて一緒に働き、仕事のノウハウを見習い、定期的にあるいは1つの懸案事項が処理済みとなるごとに、各学生にペーパーを提出させ、その事案の問題点、今後の予測、自分ならこうしたかった点など徹底的に分析させれば、学生は国際関係業務に習熟するであろう。起案の仕方ひとつとっても、その都度チューターから徹底的に添削されるので、その朱筆の入った起案文書自体が、彼にとっては何より尊いテキストとなってくれよう。電話の要領も、教育のプログラムが進むにつれ徐々に高度な交渉・根回しなども学ぶであろうし、会議でチェアパーソン側に座するだけでも、議長の雰囲気も体験できるし、会議や折衝や調査研究の後の報告書の作成要領も苦労しそれを滅多目多に直されることで、少しずつ身につけていくだろうし、人脈形成のコツも、プロトコールの要点も、いわばスタッフのセクレタリとして日に日に身につけ、本人のみならず、UNU自体にも少なからずプラスするところがあるのではなかろうか。授業料をとって1年間教育する。しかし2か月目頃からは、秘書として稼働し始める。定期的に作成せしむる論文により、国内外の提携大学から修士号を授与されて、卒業すれば直ぐに世界各地へ散っていく、というのは決して画餅ではなかろう。10年とはいわず5年で元は取れよう。すなわち教室その他の費用を除けば、講師は提携官公庁・企業・大学との相互乗入れで賄えるし、さして人件費もかさむまい。5年もすれば、全世界からアルムナイたちが母校へ貴重な情報を発信し続けるであろうし、同窓会のネットワークは地球を巡り、その財政的基盤も幾何級数的に充実してゆくことであろう。UNUもその存立の基盤をなす財源においてまず独立でき、その自治を全うされるのが望ましいのではなかろうか。海外の学生も日本の学生も、官公庁や企業派遣の学生はともあれ、原則として一般大学480