ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

2.UNUに教育部門を日本の司法はもちろん、立法や行政の、つまり政治の欠点の1つは、1度決まった制度慣行は、どんな矛盾が生じても、従前の決まりきったやり方を後生大事に続けて、敢えて方向転換を言出そうとはなかなかしないことである。「組織を乱す変人」とされまいとする一種の自己保存本能であろう。さいわいUNUは日本のお役所流儀に毒されていない。ここではまだ自己改善の大きな可能性の沃地が展望できるはずである。さらにUNUの強みは大学という性格上、自治権が付与されていることである。ここにUNUの在るべき未来へのスプリングボードがある。拙稿のポイントは、一ことで言えば「UNUに教育研修部門ないし付属学校を設置し、日本と海外の双方から学生を募り、日本の官公庁や企業からも受入れ、海内外に卒業生を有する基盤強固な大学になる」ということに尽きる。これが日本であれば、「そのような教育は設立目的の条項にない。君はいつから法律になったのか」と蔑ずりの一言でけりがつく。さいわいここはUNUである。また違った対応が可能であろう。3.UNUと行政学校ひとつの参考例は、世界一の超エリート校であるフランス最高のグランゼコールのエナ(国立行政学校)が挙げられよう。ここでは新卒からと公務員勤務歴5年以上との2コースがあり、100余人が2年間学び、その社会的評価たるや東大など比較にならないこと、周知のところである。たしかにわが国にも、キャリアのための公務員研修所があり、人事院が各省庁から合格者を集めて短期間の研修を実施しているが、このコースを卒業したからどうこうという資格的なものはなく、資格はあくまでもⅠ種合格という前提事実にあり、入間市の研修所入りは単なる顔見せに近い。行政改革の一環として日本政府もようやくⅠ種試験を大改革し総理府あたりで、一括採用し、全省庁に振り分けるという案が具体化されているようであ476