ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第13回優秀賞4.学界の参加へのインセンティブしかしながら学界の側にとってメリットがない場合、彼らからの国連大学ネットワークへの参加に対するインセンティブは働かないであろう。現在、国連大学では途上国出身の研究者対象の研修が行われ(前頁参照)、大学や大学院に在学中の学生を対象としたセミナーであるUNUグローバルセミナーには毎年多数の学生が参加している。このようなことから研修をうけた彼らが学界をになっていくことにより将来的には学界と国連大学との関係は強固になっていくかもしれない。しかし短期的な強化策を考えた場合、学界と国連大学との強固な結合は認めがたい。その理由は学者側に「国連大学は大学ではなく機関である。私が関わっていくものではない」という意識が働いていることによるものと考える。国連大学が機関であることは確かであるしその性格をぬぐい去ることはできない。しかし国連大学が学界の頭脳を結集することを目的としている以上、NGOが国連の活動に参加していることを国連側が始めているように学者に対しての大学への障壁をなくすことが必要であろう。学者にとって国連大学への参加の魅力をもたせるために、学者に対しての情報提供機能を強化させることを、先程述べた障壁をなくすために学者に対して国際機関での実践の場を与える窓口となることを提言したい。a.情報提供機能国連大学がプログラムを提起する際、類似ケースのケーススタディの成果(完成であっても研究途上であっても)を各国の学界からもちより解決策を模索する形態が望ましく、早期解決につながるものと考える。ただし、各研究機関ないし研究者の秘密を守る必要もあろうから特許を得るまでの非公開競争制度をおきながら獲得後は公開し、研究成果が諸研究者に享受できるよう比較的安価に売却を願う。このような情報の集積、公開システムをつくることが求められよう。あるいは形とはならなくとも課題に対する有意義な情報が集積できるようインターネットの活用、電子メールでの参加研究者のやりとりができるようにすることは知識の集積に455