ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

ショナルアラートはアムネスティーインターナショナルの創設者が提言を行なうことを主眼に置いて作った組織で国連大学とパートナーを組むには有益であるといえるだろう。この点についての問題は非政府間機関は様々な種類や役割を担うものがあり、必ずしも有益な結果を出すとは言えないということである。例えば非常に環境にコンシャスな環境団体と国連大学が協調して政府に提言をする場合、その提言は正しいことを言うかもしれないが非常にラディカルで採用され得ない、もしくはにくいものであるだろう。また学術的にも公平とは言えなくなる。よってこの非政府間組織とのリンクも先の民間企業との連携と同じように一定の線引をしてなされねばならないといえるだろう。さて今まで国連大学のシステムと他の機関や団体との関係を概観してみたが、以下のような結論が得られるであろう。1.国連大学は限られた人的資源、資金という制約からすれば、非常にコストエフェクティブな活動をしているといえる。しかしやはり以下のような問題が存在する。2.国連大学と国内外の大学との連携については、「関係は拡大しているものの、連携が量的に更に拡大していくにはどうしたらいいのか」という問題と「折角の結果に一般学生や住民がどのようにアクセスできるよう方法を構築するか」というふたつの問題があるといえよう。3.研究者との関係では「世界への公開性」が問われていることや携わる研究者がどのように活動を両立していくべきかという問題があるといえるだろう。4.企業との関係では「資金源として重要だけに、公平性と中立性を欠かないような付き合い方」をどう作るべきかということが課題である。5.政府系研究調査機関については「連携をどのように強化していくのか」、「他の国連機関の持つ連携との重複をどう解消していくのか」ということであろう。6.各国際機関の研究組織や部門との関わりについては「重複をどう防ぐのか」ということや「どのように更なる関係を構築していけるか」ということが問われている。7.非政府間機関との関係では、企業との関係で問題になったのと同じように「公平性を保ちつつ、どううまく付き合うのか、どの団体と付き合うのか」ということ442