ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第13回最優秀賞国連大学が国連とは独立した機関として、自由裁量にまかせて活動を行えるという最大の利点がある。世界の政治・経済には間接的には影響力を持っても、直接的には関わりを持たない大学の存在意義に立脚したものである。しかし、国連大学の活動領域の発展・拡大に伴って、さらなる運営資金が必要となることは必至である。学界との結び付きを強化するためにも、世界中に国連大学との提携大学を増やし、所属大学や国籍を問わない、学者・研究者の行き来を柔軟にするのはどうか。そして、その代わりに各大学は年会費として一定額収めるなどの制度を作る。その他、民間の企業関係者も大学の研究活動に参加できる代わりに、資金の援助を募るなど多くの分野の人的および知識交流を自然かつ活発に行うようにすることで双方のメリットとし、大学は財源の拡大化をはかる。理想論とは別にして、資金面で各国を結び付けることの効果は大きいであろう。4.国連諸機関の政策ブレインとして国連大学の登場で、逆にこれまで一つの機関に集中していた役割の幾つかを分担し、それぞれの機関にある程度はっきりとした専門任務への線引きを行うことが可能なのではないかと思う。国連の中の各機関の大学として、他の国連機関が効率的・機能的に活動できるようにその活動内容の監査・研究を行うのはどうか。現在の国連は巨大化し、それぞれの機関同士の関係を第三者的な立場でとらえ、評価をするようなはっきりとした機関が存在しない。国連改革が世界的に求められる今、各国連機関相互の補完関係の強化・改善のために政策提言を行う、オブザーバー的役割を国連大学が担ってはどうか。例えば、国連大学と似たような平和的活動機関には、ユネスコ(UNESCO)がある。国連の教育・科学・文化的部門の多くを担う機関であるユネスコ(国連教育科学文化機関)は、今日その活動分野が多岐にわたり、専門の管轄領域でさえ曖昧となっている。時として国連の他機関(FAOなど)と重なる領域部門までも出てきている。ユネスコのSは科学を表し、この点がより政治化された任務を持つ他の国連機関との違い、純粋に教育・文化を取り扱っているユネスコの精神を示すものでもある。このユネスコの扱う諸問題と国連大学の活動内容にはわずかに重なる部分があり、ここ427