ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

トに似たもの、各国の得意とする分野で地域的(同じ文化を背景とした国家同士)に知識や技術の交換を行っていくのも良い。国益に触れない程度の地域格差是正に、一つの目標を作ってみたらいいのではないか。2.国連大学高等研究所に期待されるもの今後、国連の学術・研究部門における日本と世界の学界の結び付きにおいて、鍵となってくるのは、国連大学高等研究所(UNU/IAS)の活動によるところが大きいだろう。これまで日本には、国連大学本部を除いて国連大学の活動の中心にもなっている研修・研究機関はなかった。そのため、今ひとつ世界の学界との連帯意識が薄かったような気がする。今回、新たに日本に具体的な研究機関が設置されたことによって、その内容次第では日本と世界の学界をより密接に結び付けるいい契機となるのではないか。国連の経済・開発部門において、これまではどうしても途上国中心のものが多かった。確かに発展途上の「開発」は大切であるが、これから地球規模での「開発・改善」を行っていく場合、単に先に進んでいくためだけの「開発」では生き詰まってしまう。どの国も自国の経済的な便利さや豊かさだけにこだわっていたのでは、成り立たないのである。先進国が、経済大国として成功した代わりに地球温暖化を含めた環境汚染に対しての対策を人類全体で考えねばならなくなった。先進国も途上国もそれぞれが、そこそこの開発の恩恵で満足しなければならない日がいつか必ず訪れるであろう。人類が「存続する、生きる」ことを究極的な目的とした場合、先進国の今後の「発展」を含めたガバナンス(社会運営)研究が必要になる。先進国側の譲歩も含めて、平和へ向けた途上国との協調路線の打開策が研究項目に加えられることを望みたい。また高等研究所の開設に伴い、世界各地にある研究・研修センターとの直接的な連絡・交流が活発化されることで、日本を軸とした世界の学界との連携プレーの構図が作られていくであろう。3.財源の基盤の拡大を国連大学が国連からの交付金を受けていないことは先程述べた。これは、ある意味では426