ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

ねた研修を行う。中南米カリブ地域バイオ技術プログラム(UNU/BIOLAC)では、ヒトと家畜の伝染性疾患のワクチンと診断技術、植物バイオ技術、産業用微生物発酵技術などの開発を進めている。アフリカ天然資源研究所(UNU/INRA)は、現在のところナイロビのユネスコ・アフリカ地域科学事務所を仮事務所として、土壌と水資源の管理・保全、域内消費向け食料資源の開発、鉱物資源開発などを研究の最優先課題として活動を開始している。1こうした国連大学独自の研究・研修センター(RTC)、研究研修プログラム(RTP)は、各RTC/RTPの課題とする研究内容において個々の成果をあげている。その他、国連大学としてこれまでの研究成果を記した多くの出版物を発行し、世界中の国連委託図書館に置くという形をとっているし、時宜にかなったシンポジウム・セミナーを開催するなどして知識の普及を計っている。国連大学はその活動領域を学術的研究に絞りながら、社会科学、自然科学、人文科学の幅広い領域を網羅し、実践的活動も行っているのである。国連大学の長所は、高度な学術的研究が極めて平和裏に世界中の学者、研究者、学生を結び付けていることである。国連大学の存在によって人類の英知が先進国から途上国へ、そして途上国から先進国へと流れ、互いの発展のために国際的な協力が頻繁に行われている。また、大学の運営資金(財源)は、国連の通常予算からの交付金ではなく、大学基金の運用益と任意の拠出金という資金基盤によって賄われているために、その独立性や独自性が保証されている。大まかに、現在の国連大学における短所をあげるならば、一つには大学がその活動成果をはっきりとは明示できないことがあるだろう。扱っているものが、長期にわたる研究・学術的知識ということで具体的な数値には置き換えにくい。少しずつ積み重ねられていく、人類全体の繁栄という形でしか、最終的な成果は得られないのが現状である。二つ目は大学の特色からしてその活動が一部の人達を除いては、地域に対してまだまだ閉鎖的になっているということである。国連大学の研究所や研修所、関連機関をどの国のどこに建てても、その土地における存在意義を発揮できないようでは地域と国連大学とのつながり、転じて国と国のつながり意識も薄れるというものだ。三つ目としては、4241「国連大学と日本」国連大学協会参照「国連大学と日本」津島一夫国連大学広報部参照。