ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第12回佳作審査によって、実績および日常の国連活動への貢献度のチェックを経なければならないとする。資格審査委員会、選任理事国については後述することにしたい。安全保障理事会に付設する機関に軍縮委員会、国連休戦監視機構などのほか、軍事参謀委員会がある。この軍事参謀委員会を拡充強化して、有事に備え、平和の維持に活用すべきではないか。先に開かれた(東京の国連大学)「軍縮を考えるエコノミストの会」でのローレンス・クライン博士(ノーベル経済学賞受賞者)が提案した「国連軍常設」は当面難しいとしても国連協力軍の組織化に向けた一歩を踏み出すべきだと思う。その手始めに、安全保障理事会の下に、「国連軍士官学校」と「世界平和創造基金」を創設すべきだ。国連軍士官学校は国連協力軍を統率し、有事平事に備えるものだ。義勇軍を編成することもあろう。これはボランティア・スピリットが基本である。また憲章の第51条、52条、53条にあるように、地域ないしは国連加盟国の軍隊に協力を求める緊急措置の状況も容易に想定される。有事にあっては円滑にして迅速に関係諸国ないしは地域連合軍の協力を得やすい法的整備を急ぐべきである。「世界平和」という「共益」をおびやかす危険を排除するという共通認識から、諸国、諸地域のもつパワーの一部を国連に委譲する考え方である。一方、世界平和創造基金は、有事にあっては軍事費に、平時にあっては平和維持、紛争防止のための活動費に充てるものである。米国のコーネル大名誉教授のウォルター・アイザード博士の提案(国連大学での軍縮を考えるエコノミストの会)する外国為替市場での売買に課税し国連財政資金に充てる方法も考えられるが、私は国連加盟国それぞれの軍事予算の一%を義務づけ、あとは広く浄財をつのるとよいと考える。加盟国の軍事費の一%提供の義務づけは、それぞれの国家主権の部分を寄せ集め、国連協力軍という上位の概念に吸収する、ある意味で主権の共有化につながるところに大きな意義がある。さて再び安全保障理事国の構成と閣僚理事国の資格審査について考えてみよう。安全保障理事会の構成は現在の五常任理事国に加え、現在の非常任理事国を合わせたものを、選任理事国として、この中から閣僚理事国を選び出すようにしたい。選任理事国には地域的411