ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

ページ
407/912

このページは 佐藤栄作論文集9~16 の電子ブックに掲載されている407ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

佐藤栄作論文集9~16

第12回佳作「国連機能をいかにして強めるか-第49回国連総会・ガリ事務総長提案を踏まえて-」中村佐????要約国際紛争が絶えない。冷戦が終えん、東西対立の構造が崩れたあと、世界は新しい秩序を見いだせないまま混迷している。国家がゆらぎ、国内問題も内部で処理できず、民族や宗教の対立として、その傷口を広げ、国の外にまでその禍を及ぼしている。国家が解体し、流出している。次々に起こるこうした問題を国連は処理できるのか。非力を責めるということは、裏を返せば国連への期待が高まってきているともいえる。そこで国連の機能をパワー・アップさせるにはどうしたらよいかを考察する。国連を国家連合ととらえるだけでは、この世界の実態を映す鏡にはならない。ポスト冷戦、覇権を否定し、多中心、多極化の国際情勢にふさわしい強力な国際組織を創り出すことが必要だ。しかし、すべてを牛耳る機関ではないし、またそんな力を具備できるわけではない。戦勝国の世界管理機構から脱却させ、統合力と総合調整能力を高めるために、安保理と国連総会の改革を訴える。特に安全保障理事会は大国主義を排する、パワー・ポリティックスの理念を超えるため、抜本的改革を求める。常任理事国と非常任理事国の区分を閣僚理事国と選任理事国に改め、すべて選任理事国たる身分にし、これにはNGOの代表や地域連合(地域機構)も加え、トランスナショナルな志向といった潮流に合わせる。閣僚理事国はこうした選任理事国の中から選出し、任期切れに当たっては、国際貢献度を指標とする資格審査し、再任するかしないかの評価を405