ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

会の目にふれ裁きをうける。このことは、民主化、あるいは社会主義度合いを測る一つの尺度になっている。制度の運用に当たってはNGOが持つ公平な判断力と信頼性が重要視されている。時代の推移と共に、経済社会理事会管轄外の領域でもNGOの活躍が顕著になっている。例えば、政治的分野にも関わる軍縮NGOがある。他に難民救済NGO(多くはボランティア団体)、国連開発計画傘下の開発関係NGO、また国連社会を先導する環境NGOもある。このように多分野に広がる活動は、世界に広がりつつある共通の問題や道義的認識を反映しているといえる。ポスト冷戦の今日、環境をはじめ開発、人権、難民、移住労働者と国家単位を越えるグローバルな管理が必要となってきたことは繰り返し述べたところである。このような状況下で、国連は真に国際的・地球的問題群対応型の共同体として脱皮しなければならない。そのためには、なによりも民主の声を反映させ得る機構に改革することである。より民主的で開かれた国連は、一国一票制による国家間の平等ないしは国家間民主主義に実現といった次元にとどまるのではなく、むしろ、飢餓や「病的発展」からの解放を求める民衆に対して開かれた存在となることである。ポスト・ウェストファリア、ポスト冷戦時代の国連または国際組織は政府代表以外のアクターNGOや地域機構、その他の団体にも安保理及び国連総会の正式メンバーとしての参加の道を開き、民衆の声が反映できる機関にすべきである。経済社会・人道的問題に関わる分野においては特に国家以外のアクターの参加がいかに大きな意味をもち有意義であるかは前述したとおりである。5.「ガリ提案」と将来の安全保障体制ガリ報告書は、国連介入の前提だった「当事者合意」の原則に例外を設け、国連軍待機部隊の設置や武力行使を想定した緊急展開部隊の創設を提言するなど従来の国連平和活動(PKO)も重大な変革を迫る内容になっている。報告書は、将来の国連の役割を予防外交、平和創設、平和維持、平和再建の4つの活動316