ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第11回佳作プラスサムゲームに導くことだけである。事後よりは事前調停の方がいい。早いほど割安で平和が保てる。武力傾斜すればするほど紛争が深刻化し、国連は財政が益々困難となり、国連予算の分担率の高い国の発言力が益々増し、国連の威信が益々低下し、やがて経済大国の外交のゴム印機関となり下げて、大勢の加盟国から見切りをつけられて滅んでいくに違いない。今こそ、国連は武力傾斜の泥沼から足を引き、身を正して、利害調整、平和維持活動の原点に立ち戻らなければならない。4.分担金制度を見直そう国連は武力傾斜から身を正すことは財政負担を軽くすることに大きな役割を果たすことになるに違いないが、国連の財政問題の根本的な解決のためには分担金制度の見直しが必要である。分担金制度の見直しは、加盟国の参加意識を高め、国連の活性化にも役に立つ。まず、分担率の下限を引き下げよう。いま、国連分担金の最低分担率は0.01%と定められている。それは非常に低いと思われがちであるが、184ヵ国の加盟国の中には弱小国が非常に多く、国民総所得が非常に小さな国が多く、実に80ヵ国余りもこの下限分担率に該当する。この分担率でもそれらの国にとって払えないほど大きな負担となっている。滞納金の総額が負担金の2年分を超える金額になったら投票権を失う国連の規定に従い、国連が例外と認める国を除いても、総会には分担金の滞納で投票資格停止となった国数は2桁台にのぼることもしばしばである。それは異常な事態と言うほか言いようがない。しかも、国連の予算が増えるばかりで、これらの弱小国にとって負担が益々重くなっている。それらの弱小国の滞納金の総額は微々たるものであるかもしれないが、平和を愛する全ての国々を結集することを宗旨とする国連にとってそれは避けなければならない事態である。また、例外を沢山つくっては不満を招く。まず、分担率の下限を引き下げて、最低分担率の国数に一桁台に減らすべきである。正確な計算はここではしないが、例えば、現在の10分の1の0.001%に引き下げてもいい。281