ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

「国連の抜本的改編の具体的方策」鄭祥演1.はじめにいま、国連改革に関する論議が盛んである。日本だけでなく、国連においても、改革の論議が活発に行われており、加盟国は各々の国連改革案を国連に提出している。改革の必要性に関して各国の意見が一致しているが、具体的な改革案になると、意見の相違が大きく、短期間内においてまとまりそうもない状況である。1995年は国連誕生50周年にあたり、何か意味のあることを実現したいと思っている加盟国も少なくないし、それを機に国連を一気に変革しようと希望をもっている国もある。確かに、50歳になる国連は今一つの転換期を迎えている。負担の大きい割に疲れ気味で、期待される割に力不足であまり機能していない。今こそ抜本的な改革を行い、若返りしなければ、国連は衰退の一途を辿って機能しなくなり、世界平和がまた脅かされて、地球上において悲劇がまた繰り返される恐れがある。いま何が本当の問題であるか、どうすれば解決できるか、考えてみたい。2.岐路に立つ国連1)国連の台所事情が苦しい。国連は今、財政危機に陥っている。その財政危機の克服が緊急な課題となっている。周知のように、国連の財政支出は加盟国の分担金で賄っている。各国の分担率は途上国優遇措置もあるが基本的に各国の過去約10年間の国民総所得の平均を基準に算出されている。最高分担率は25%で、最低分担率は0.01%となっている。1994年現在アメリカは上限の25%で、次に日本が12.45%、その次にドイツ、ロシアという順となっている。0.01%と276