ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

「国連の抜本的改編の具体的方策」鄭祥演要約国連は今、大きな困難に直面している。財政危機、地域紛争の多発、組織歪み等、しかも、それらの要素が悪循環を成している。つまり、地域紛争の多発に伴うPKOの急増は国連財政を圧迫し、財政難は国連における北側の国々の発言力向上と南側の国々の無力化をもたらす。加盟国の増加も安保理のヨーロッパ、北側偏重の歪んだ構造をより一層顕在化する。国連は南北問題解決に益々無力となり、南北格差の拡大は更に地域紛争をもたらす。この悪循環からの脱出こそ国連の再生の道である。そのために、国連は次のような抜本的改革を行わなければならない。まず、近年の国連平和維持活動の武力傾斜から身を正すこと。武力傾斜はお金だけかかって、紛争解決に余り役に立たない。国連は従来のPKO三原則に立ち戻り、紛争の調停、当事国をゼロサムゲームからプラスサムゲームに導くことに徹するべきである。次に、国連の分担金制度を見直すこと。常態化している分担金滞納問題を解決するために、分担率の下限を引き下げ、80ヵ国余りもある下限該当国を一桁台に減らし、また、分担率の算出基準を国民総所得の5年平均に短縮する。更に、分担金の滞納許容限度を今の2年間分担金相当から半年分の分担金相当に限定する。それと共に、予算配分をより効率的で公平にするために、国連の予算案の採決を今の全会一致制から元の多数決に戻すべきである。また、経済社会理事会を再編すること。国連にとって、南側の経済発展、南北格差の縮小に手を貸すことこそ地域紛争の最高の予防策である。紛争の究極的な予防機関として国274