ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第10回奨励賞介入の方法としては国連による介入、NATOなどの地域機構による介入、そして一国、または数か国が結託して行うやり方等があるが、三番目の介入はまず内政干渉として非難されるため、ほとんどの場合介入する側もそれを承知で実行する戦争行為である。国連はどちらかといえば地域機構が介入に前向きな姿勢を示しているときは一歩下がって状況を見る傾向がある。予算不足や地域に自主性を持たせるためとかいろいろな理由がいわれているが、まったく望ましいことではない。例外はむろん存在するが、特に発展途上国の軍隊はPKOの技術やノウハウが十分でなく、規律にも問題がある場合が多い。紛争地域に近い国ならその国の政情や文化、言葉にも通じているが、同時に自国の権益のために中立を守らずにある勢力の後押しをすることはないだろうか。国連が行動を起こさないため、リベリアには西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)が90年7月に介入した。内戦が激化し、彼らがさらに難しい平和創造の役割まで果たした結果、3年7ヵ月ぶりに停戦合意が成立した。ただしその過程で彼らによる人権侵害や、ある勢力の手引にしたがってその反対勢力を攻撃したなどとも報告され、リベリア人達が彼らを武装勢力の一つと考えるまでに至っている。国連の介入が不可能なら、顧問団を派遣してアドバイスするといった協力は不可欠であろう。[C]非政府機関との協力発展途上国の貧民や地域紛争時に生まれた難民の援助、医療活動では非政府機関(NGO)が大きな役割を果たすようになっている。国連や他の国家より格段に行動が早く、92年には扱う食料は50万トンを越え、第三世界への援助額は世界銀行よりも多く、カンボジアなどの小国の政治に大きな影響を与えるまでになった。アレックス・デワ-ルとラキ-ヤ・オマ-アはカレント・ヒストリ-誌上でNGOの宣伝の巧みさ、腐敗、現地人への差別、法外な給料などを糾弾した。また援助一辺倒で問題の解決には役に立っておらず、受け入れ国の政府の人権蹂躪などにも無関心すぎると指摘している。彼らは同時に国連の機関は実際の行動を起こしていないという面でNGOより遙かに劣ると非難したが、これは第三世界での活動についてであって、地域紛争などで生まれた難199