ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第10回佳作て国際平和に役立てていかなければならないのだ。いつまでも教育を各国まかせにしてはいけない。それゆえ国際平和のために必要となるであろうあらゆる分野の、例えば医学、看護学、開発援助学、栄養学、文化人類学といった課程を備えた大学を設立してユニークな教育を施し、国際的な人材をどんどん育てていかねばならない。世界各国から学生を募り、そのカリキュラムの中に難民キャンプでのボランティア活動や被災地での救援活動を盛り込んで、理論ばかりにかたより易い一般の大学生とはひと味もふた味も違う、理論と実践の両方を踏まえた人材を排出できる可能性を国連は有している。一部の有識者のために重要な予算を無駄使いするよりは何倍も有効な予算の生かし方であろうし、教育は世界の発展のために最も貴重な課題であるのだから、そういったところにこそ大切な拠出金を充てなければならないと考える。3.NGOとの連携現在最も草の根レベルの援助活動の中心となって動いているのはNGOである。組織が小さいだけに柔軟性があり、またボランティアとしての色合いが濃いために、参加する側としても門戸をたたき易いのであろう。それが国連の、例えば難民高等弁務官事務所(UNHCR)、児童基金(UNICEF)のような機関となると様々な規制や外交関係に縛られ、組織はしっかりしていても柔軟性と起動力に欠けているように映る。UNHCRの支援と庇護のもとにNGOが活動できるのかもしれないが、それにしても国連が難民キャンプで直接彼等の世話をする要員を独自に確保し、柔軟に対応すべきである。どうも現状では国連側に民間援助を入れてあげているという態度が見られ、NGOを支援しているというよりは、実質的に依存しているにもかかわらず一方的な管理を行っている様だ。現在の様な連携プレーを続けていくのであれば、援助方針や難民キャンプ等の運営方針決定の際に、より多くより広くNGO組織の意見を聞き、取り入れていくべきであり、また実際に国連としてもUNボランティアの様な制度・組織を強化、拡大し、緊急な草の根レベルの救援活173