ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第10回佳作所が全く無駄であるとは言わないが、一方大学や各国の政府の機関で行われている研究以上に高度でかつフィールドへのフィードバックを有効に行っているわけでもないだろう。実際最先端の研究を不便の多い途上国で進める必要は全くないのだ。そういった研究は先進諸国で行ない、その結果を途上国での食料増産へとフィードバックすれば良い。ILRADではトリパノゾーマと呼ばれる牛の病原虫に対して耐性を持つ牛の遺伝子解析が行われているが、そんな事は何もケニアで行うより、欧米の研究機関で取り組んだ方がよりスムーズに進展するはずである。そのトリパノゾーマ耐性は、優性遺伝する事が知られているので、フィールドではむしろ在来種との交配試験のような研究を進めた方がより現実的である。それゆえ食糧についても研究に関しては各国の研究機関との連携を深め、FAOはより緊急の食糧援助体制作りに力を入れるべきである。常にある一定量の食料を確保し、緊急の事態にすぐに対応できる様な輸送システムを築き上げ、難民に対する食料供給の安定化により一層の努力を払うべきだ。iii)PKO極論であるが、私は地球上に民族意識や宗教がある限り戦争はなくならないと考えている。後を断たない戦争による一番の犠牲者は子供、女性や立場の弱い人々で、彼等を助けるためにPKOは必要欠くべからざる組織であり、我が国も積極的に参加していかなければならない。しかし、それはあくまでも国連の一組織として行われるべきであり、各国の軍隊が個々に様々な形で介入していくべきものではないと思う。カンボジアでのPKO活動では、日本のマスコミは常にフランスのPKO部隊はこうしたとか、パキスタンの部隊はああしたという様な報道の仕方をしていた。もちろん一応の役割分担は成されていたが、実際各国のPKO部隊は各国の指揮官のもとに置かれていた。何故国連の部隊として混成にし、国連の監督のもとに統一した行動が取れないのだろうか。ソマリアでは更に各国部隊ともちぐはぐな状況で、アメリカはアイディード将軍派への報復攻撃にばかり熱を入れているように映る。これは国連加盟国間の力関係に大きく左右さ171