ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第10回佳作「21世紀を目前にした国際社会の真の平和の達成に寄与すべき国連の役割はどうあるべきか」柏崎佳人要約国連は組織的にかなり肥大化してしまった様だ。それは単に加盟国の増加のみによるのではなく、多岐に渡る分野へ手を広げ続けてきた結果と思える。国連だからといって必ずしもあらゆる分野について地球の発展のために貢献しようとする必要はない。その設立目的である“国際社会の平和達成”をしっかり見据え、第一に成されるべき問題に焦点を当て、その解決に向けて全力投球していくべきなのだ。その問題というのは不可抗力の死に追いやられている人々の救済であり、特に医療、食糧、そして紛争解決のためのPKOが最重要課題となろう。この3つは、人間が生命を脅かされない環境を築きあげていく上で最低限必要な問題であり、平和な生活を実現するために欠くべからざる条件である。その条件を満たした上に成立する開発援助等は、国連が積極的に乗り出すというよりも、むしろOECD諸国の行うODAにまかせて無駄な重複を避けるべきであろう。人間が生活を営んでいく上で必要なのが衣・食・住であると言われるが、それ以前の平和実現のために国連が総ての地球人に保障するべき条件は、医・食・自由(PKOによる紛争解決)の3点にあると考える。医療・食糧の問題に関して国連がまず第一に取り組むべき事は、緊急の援助体制の更なる充実である。紛争、災害の際に、いかに素早くいかに効果的な医療を施し、食糧を供給するか。そのノウハウを国連は蓄積していくべきであり、WHOやFAOが取り組んでいる研究活動については既に同様の蓄積が先進諸国の研究機関にあるので、そういった所へ依存していった方が得策である。165