ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

わってくるに違いない。また、食卓からえびフライとマングローブ林乱伐、猫のペットフードとマグロやイワシの乱獲は深い関係がある。こうした身近な問題に大いに目を向けてもらいたい。さらに、「共生」の時代を目指して異文化を理解するために、急増している民間の親善大使の留学生と一層の対話や議論も勧めたい。地球問題に関するセミナーに自発的に参加し、そういう機会を創造すること等も考えるとよい。新秩序における信頼関係の構築は私たち同年代の責任であり使命なのだ。いま青年たちはゲームセンターにたむろし、カラオケに熱中しているようだ。もっと有意義に生き、国際貢献の一端を担って欲しいと私は望んでいる。国連が国家信頼関係の構築に尽力し、紛争解決能力をより発揮し、軍備管理、経済援助、地球環境保全など、と同時に各国の市民が国連の活動により参加しやすくできれば、政治や経済的混迷が続く21世紀にも平和な国際社会を実現することができると私は思う。南北対立の要因を突き止め、貧困、経済格差、人権など永久の課題に長期的戦略で取り組む地道な努力を継続すべきである。地域、国家、民族、NGO及び市民と多角的に緊密な「連携プレー」をより活発化させ、国連の活動を「市民参加型」の理想に近づけて行く努力こそが必要である。国連が平和維持活動機関であって民主的な機関であることを志すならば、当然に加盟国の市民の支持なしには成り立たないのである。そしてその支持を求めるかぎり、NGOに代表される世界市民の国連への参加がまた必須である。また、市民の意識向上こそは単なる機構である国連に魂を吹き込むことができる。そうすることによって、ブトロス・ガリ事務総長の提案のように国連が「平和維持」だけでなく「平和建設」までの両輪の役割を果たせると私は願っている。120