ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

ら民生型への転換を促進するよう一役買うべきである。地域紛争防止の一環として国連は軍縮に貢献すべきであろう。これは平和に貢献するだけでなく、経済、福祉にも役立つと思う。具体的に、まず信頼を醸成することが先決である。また、第三世界諸国への兵器輸出について供給者側の先進国に対する制限措置を強化することが求められる。持続可能な開発21世紀の最大の課題は人口爆発の問題である。現在、地球は環境の悪化など、様々な問題に直面している。環境破壊の究極のバロメーターとしての環境難民。多くの問題の原因が人口の増加にあると思う。人口が増えれば、食糧の需給は増え、過放牧は砂漠化の原因になる。地球上1,543万ヘクタール、熱帯アジアで625万ヘクタールといわれるマングローブ林は、今、工業用の土地開発、道路建設によって縮小しつつある。同様に、換金作物を作るため過度の焼き畑耕作や過放牧などにより、毎年1,130万ヘクタールの熱帯林が失われている9。現在、アメリカは、世界でも最大の二酸化炭素排出国となっている。全世界での排出量の24.2%がアメリカ一国によるものだ。また、一人当たり排出量でも、5.79トン/人という、世界最高の値を示している。これらの値は、日本の数値(2.25トン/人)を基準にすると、約2.6倍も高い水準となる10。その上、アメリカがそれだけ大量に二酸化炭素排出源となる化石燃料エネルギーを消費し、しかもそこでのエネルギー消費のあり方が極めて浪費的である。「環境問題」をめぐる、諸国間の利害対立は「南北対立」をエスカレートした。こうした「開発優先型」の経済活動は地球の共有環境を破壊し尽くすと、難民が発生し国際紛争の原因となる。もはや、人口問題は途上国だけの問題では済まない段階にはいっている。国連はこれらの問題に対してあらゆる手段で人材教育を行ない、先進国や発展途上国の市民の問題意識を高める必要がある。ここで、私は環境保全のために「持続可能な開発」を望んでいる。その上、国間利害対立を乗り超えるために、環国連が「環境安1189村井吉敬「エビと日本人と」岩波新書、岩波書店、1988年。10寺西俊一「地球環境問題の政治経済学」、東洋経済新報社、1993年。