ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

よる世界調和の為の科学技術の確立が重要になって来る。恐らく人類は、その英知で今度は地球を浄化し、生き残りを持続するものと期待する。扨て、斬くして国連機能のフル活用により、世界が共存共栄を持続していく様になれば、世界は一つの意識が次第に昴揚し、例えば、国際結婚等を異和感なしに受け入れられ、民族間の対立意識も薄れ、宇宙ステーション等、地球以外にもどんどん関心が向けられていく。その頃になると、各国の保有する軍隊は、全く無用の長物となり、国連軍そのものも、多分宇宙に外敵なしと解って存在の意味が薄れ、逐には地球上から凡ての軍隊が抹殺され、警察機構のみの存続で事足りる時代が来る。又通貨についても、多種の通貨が不便となって、一つの通貨に統一される機運が起こるし、言語についても、世界共通語が必要となり、母国語はやがて地方の方言としてのみ存続する。そして最後に、国家そのものの存在意識も無くなり、例えば、国置州の運動が起こり、日本州の九州県とか、アメリカ州のカルフォルニヤ県になる。勿論、州政府は、州自治の為の独自の法律を持って運営する等、地方自治に対しては大巾の権限とその責任を付与する事になるであらう。さて、話が此所迄来ると、現実との剥離が大き過ぎて現実味を伴なわないが、例えば、日本の歴史を振り返る時、百数十年前は、各藩独自の統治が先行する藩閥政治が行なわれ、殿様や武士が、百姓、町人と同格になる事など、夢想だに出来ない事であった。当時、九州から江戸迄は一ヵ月を要したが、今の世界は、当時の日本より遙かに狭くなっている。人種の違い、風土の格差等、統合しにくい要素は多々あるものの、既に経済が、世界のシステムの中で作動しなければ成立しない時代となっており、政治も交流から合流に向うのは、時代の流れであり、自然の法則である。小異を捨て大道につく。これが、人類が選択せざるを得ない生き残りへの道である。扨て、かかる世界情勢の中、経済大国日本に対する世界の期待は大きく、日本も亦、積極的に役割を遂行しようとしている次第であるが、その遂行に於いては、常にアジアの一員である事を忘れてはならないと思う。今アジアでは、日本の繁栄に比例して、日本に対するわだかまりが高まりつつある。同じ敗戦国でもドイツの場合は、勝ったり負けたりの100