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概要

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い、新たなシステムを提案する研究を行う。そして、そこで提案されたシステムを、実現していくために必要な、開発すべき要素技術の洗い出Lと、システムの変更のための具体的施策をまとめることである。このような作業を行うことによって、「トータル・エンジニアリング」の技術的進歩と、その体系的な蓄積がはかられることになろう.また、必要な要素技術が明らかになることによって、世界各地で、その研究開発が積撞的に進められることも、期待される重要な成果である。それによって、これまで学問的意義や企業の意図,個人的思いによってテーマが設定され、進められて来た科学技術の研究開発が、人類の存続という世界的な意義が、テーマ選択の一つの要素として加えられることになり、地球的視点での文明の形成にとって、大きな促進要因になるものと考えられる。ここで、「現代文明のレビュー・プロジェクト」の内容について、より具体的なイメージを提起するため、今日、多くの都市で問題となっている、ごみ処理システムを例に挙げて述べてみたい。今日、都市のどみの多くは、埋め立てや焼却によって処理されている。特に、生活ごみの主要部分を占める生ごみについては、衛生などの面から焼却による処理が、現在、最も進んだ処理方法と考えられている。しかし、焼却施設の立地難や、焼却による大気汚染など問題点も多い。さらに、地球資源の循環の面から考えると、それ以上に重要なことは、焼却処理による生物資源の消失の問題がある。国連大学の場において、現代文明のレビューを行い、新たなごみ処理システムの提案をすることの狙いは、資源・環境の面から検討することによって、その改善をはかった新たなシステムを提案していくことにある。生ごみの成分の大部分は、動植物などの有機物で構成されているが、これらは長い間の生物の活動によって生産された、固定化炭素、窒素、リン、その他の重金属によって構成された、貴重な生物の栄養資源である。焼却による処理は、それを一気に二酸化炭素に分解し、残された灰も廃棄物として地中深く埋めてしまうことになる。効率の良い処理方法ではあるが、植物の育成にはつながらず、生物の食物連鎖の循環の系から、貴重な栄養資99占